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秋田のタカさん旅日記

kintarou77.exblog.jp
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2010年 02月 07日

天の戸の酒蔵開放

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かまくらの中から横手城を望む
今週の秋田は今年一番の冷え込みを記録した。007.gif
本番を前に横手公園のお城の前にかまくらが作られている。
訪れたのは10時くらいだが、観光客は皆無ゆっくり撮影することが出来た。
地元民の自分としては、毎日雪を見ているので雪の塊であるかまくらは改めて見なくては良いと思ったが、撮影の練習を兼ねて横手公園に行って来ました。
来週はかまくら祭り本番、県内外から沢山の観光客が来ることだろう。今日は嵐前の静けさとでも、言うところだろうか本来の静かな、かまくらがメルヘンチックだった。

ここからが本題です。
今年も、行って来ました。横手市平鹿町にある。浅舞酒造「天の戸」さんの酒蔵開放。酒屋さんにとって新酒が出来あがったお披露目を兼ねたお祭りです。
秋田でも小さい蔵から数えた方が速い「酒蔵」だが、日本酒本来の手作りの酒が今も受け継がれている。

今年のお酒はいかがでしょう。

それでは、さっそくおじゃましてみましょう。



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浅舞酒造「天の戸」さん
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敷地内から湧きでる地下水。
敷地内から湧き出る豊富な地下水が蔵に引き込まれている。
この水は一年を通して温度が一定で、天の戸全ての酒の源となるのです。
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湯気がもうもうと上がる釜場
これぞ造り酒屋の光景ですね。大きな釜でお米が蒸されています。
こうして蔵開放でも日常の仕事がされています。今が一番忙しい季節ですからこのような光景を目にすることが出来るのですね。
もちろんお楽しみの017.gif
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試飲もあります。
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じゃごたろや杜氏直汲など、今しか飲めない限定品をごちそうになりました。
どちらも生酒で発酵途中のためグラスにつぐと泡が出ます。ほどよい酸味もあり、グイグイいけます。ヤバイです。
ふと、目線を上げると。
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今も使われているのだろうか?年代物の木桶がずらりとならんで、まるでタイムスリップしたかのような空間がそこにあった。

さて、飲んでばかりはいられません。
ここからは、毎年恒例になります。天の戸の杜氏森谷氏による、お酒が出来までの講義が始まります。
まずはお酒には欠かせない麹が出来るまでを笑を交えて分かりやすく説明していただいた。
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熱弁を振るう森谷杜氏
麹がきれいに出来るまでは、30~50時間室温32~34℃の麹室で3時間おきに夜通し手を掛けて大事に育てられる。単調な作業のため眠気との戦いになるそうだ。
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手作業で大事に育てれる麹たち。(写真下に見えるdancyu3月号に天の戸の記事載ってます。)
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麹の衣をまとったお米たち
こうして大切に育てられた麹米は、仕込みのタンクに入る前にしばらく休憩にはいる。
この麹で仕込みの「もと」となる「酒母」が造られる。この酒母は日本酒の味を決める重要な仕込みになる、もっとも気を使う作業だ。
その酒母を仕込み蔵で掛米を足して培養され、大きなタンクで発酵を調整しながらお酒になってゆく。
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大きな仕込みタンク
ここで、森谷杜氏による2時限目の講義がはじまる。仕込み蔵の中は、とても良い香りがする。それは日本酒のアルコールの香りではない。なんの香りだろう?
リンゴの香りとてもフルーティーな臭いがする。専門用語では「吟醸香」と言う。タンクの中で麹菌が分解したでんぷんが糖になり、その糖を酵母がアルコールと炭酸ガスに分解しその炭酸ガスがリンゴのようなフルーティーな香りが蔵の中に充満している。
タンクの中を覗き込むと。
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小さな泡が湧きでている。
タンクの中では炭酸ガスが噴き出している。酵母の発酵の力強さが目と耳で感じ取れる。今しか見ることが出来ない貴重な体験をさせていただいた。
タンクの横ではそこから汲みだした搾る前の「もろみ」を試飲せていただいた。これがまたおいしいのよ!
口の中でフルーティーな香りと酸味が広がり、後から甘みも加わってなんともやさしい味がした。搾りの前なので融け切れていないお米が残るが、嫌な感じはしないむしろお米の甘みを感じることが出来る。
しかし、アルコール度数が20%近くあるため飲みすぎると大変なことに。
この日は特別に搾りたてを
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舟から滴り落ちる生酒を瓶詰めし
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いただきます。
すぐに飲ませてくれる。こりゃ贅沢極まりないですね。この搾りたての生酒はすぐに飲むのも良いのだが、2~3日後置いてから飲むと角がとれて、別の味わいになるそうだ。
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お酒の「あて」に手作りの天ぷらやのりまきもうれしい心づかいです。酒粕をつかったレシピですが、これも森谷杜氏のアイデアだとか驚きました。森谷杜氏のコメントの中に「酒カス」なんて呼ばせない。栄養豊富な万能調味料といっていました。
どの料理も素朴ですが、とてもおいしいやさしい味がしました。お客様をもてなす気持ちが詰まった料理もお酒の味を際立出せる名わき役なのでしょうね。
最後に、社長自らお客様にお土産を手渡していた。僕らもしっかりいただいた。身も心も温まる酒蔵開放でした。
寒い秋田ですが、あとひと月もすれば寒さも緩み春がそこまできます。それまでもうしばらく雪との格闘しながら冬を楽しむとしますか。

おしまい。ながながと見ていただきありがとうございました。

by kintarou776 | 2010-02-07 20:08 | 秋田の酒蔵 | Trackback | Comments(6)
Commented by かめちゃん at 2010-02-08 07:12 x
正に冬景色ですね。
最近、地球温暖化?何て話題ばかりでしたが、これが本来の日本の姿なんでしょうね?
これだけ雪が降れば、22年産米はきっと美味しいだろうね?
Commented by 秋田のタカ at 2010-02-08 21:31 x
>かめちゃんこんばんは。
先週はほんとに参りました。寒さとドカ雪で雪との格闘にもううんざり。雪のないところに行きたいよう。
この分だと夏の水不足は心配ないでしょうから豊作でしょうね。
Commented by ロースター at 2010-02-09 11:54 x
本当に仕込んでいるところを見せてくれるんですね!
写真を見ていると今最も活気付いている酒蔵の様子だけでなく、酒造りってホントに大変そうだなあというのがよく伝わってきます。あるときはもうもうと湯気が立ち昇る熱々の蒸し米と格闘し、あるときは真冬の寒さの中冷たい水で水仕事。。。こんな苦労があるからこそ酒が美味くなるんですね。

それに遠く横浜の地で販売されていた「じゃごたろ」の生まれ故郷なのだと思うと何だか感慨深いというか(^^
浅舞酒造さん、小さいとはいえ首都圏の百貨店に継続的においているのだからやはりその実力たるや相当のものなのだと思います。

モシヤ、シャシンハD3000デスカ?(^^
Commented by 秋田のタカ at 2010-02-10 17:44 x
>ロースターさんこんにちは。
今年も行ってきました。大きな蔵元では出来ないアットホームな感覚はいいですね。蔵人の手作り感そのまま瓶詰めされたお酒はあまり多くはないと思いますよ。
13日は「おやき」と「きりたんぽ鍋」と天の戸の「お酒」で雪国を思いながら一献傾けてください。

もちろんD3000での撮影です。(まだまだ使いこなせず。失敗者写真の方が大量に。
Commented by みゆ at 2010-02-11 20:41 x
こんばんは!
年末に「じゃごたろ」頂きましたよ~
日本酒のシャンパンみたいですよねっ!
昨年は「しゅわとろ」だったけど今年はないのかな?
浅舞酒造さんはヨーロッパやアメリカにも卸していますよ
頑張ってますね
Commented by 秋田のタカ at 2010-02-12 17:55 x
>みゆさんこんにちは。

>年末に「じゃごたろ」頂きましたよ~

さすが、もう飲まれているんですね。(笑い。
飲み口サッパリでいくらでもいけますね。このお酒は。
シュワトロ今年も売っていましたよ。でも季節限定なのでなくなるのも時間の問題かも。急げ~~。
韓国やシンガポールでも売ってるみたいですよ。


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